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  • 旅館のベテランスタッフがリピーターを増やす奇跡のシナリオ

矢本流ミーティング導入事例「笑顔になる会社増加中」

この旅館に来るとどんな体験ができますか?


この事例は、九州の熊本県の有名な温泉地での旅館さんの事例をご紹介します。
この旅館の社長から「集客は経営陣の仕事になっているが、社員みんなで集客を考えたい。最初、そう考えて選抜した社員をセミナーに参加させたが、実行に至らない。それなら個別ではなく全体ミーティングの時間でそういう育成は可能か?」という質問が依頼のきっかけでした。
ミーティングを実行するに当たり、社長は一抹の不安もありました。
それは社長と若女将さん以外は全員50歳以上のスタッフだということ。
そして過去もミーティングをしたことがあるが、最後まで形にはならなかった経験を持っていることです。

ミーティングで何を目指すのか?

そう言ったことも踏まえて社長とミーティング設計をしました。
まず、メンバー。基本ミーティングのない会社だったので社長の希望を取り入れ、月1回12名の正社員スタッフ全員で行うことを決めました。
そして、テーマは「リピーター(一度来ていただいお客様の再来館)を増やそう!」にしました。
旅館って業界平均リピート率が約20%位。その比較でもこの旅館は圧倒的に低かったのです。だって…1%くらいだったから。
だから、いつも新規客ばかり追っかけないといけない。
そして結果、新規のお客様に知ってもらうために広告費に大きな予算を使わないとダメ、でも予算がとれないというジレンマをもつ旅館は多くあります。
この旅館はもともとベテランスタッフの落ち着いた接客が好評な旅館でした。
ならば、一度広告費をかけて来ていただいたお客様に定期的に来てもらえる、お互いハッピーになれるシナリオを作ろうよ!となったわけです。
どうやってリピートしてもらうか?
リストのあるお客様へ定期的に「情報誌」を送ることを設計段階で決定しました。

なぜ情報誌??
普通よくあるのがハガキサイズのDM(ダイレクトメール)ですよね?
DMの問題は載せられる情報量が少ないこと。
結果、「安いから来てね!」的な内容だけになってしまい、リピートしてもらう独自の販促ツールからは程遠いと考えました。
量を載せられる情報誌スタイルで「この時期、黒川温泉に来たら、こんな面白い体験や素晴らしい景色が見られるよ」と地元の人しか知らない情報を載せる。
するとそれを見たお客様が主体的に行きたくなる。
そんな情報誌を「ミーティングの中で手作りで作ってしまおう」と決めました。
 
 結果、「口コミランキング料理部門エリア1位」「リピート率1%→19%」「売上前年比120%」
何をしたのか?
月1回の全スタッフでミーティングをしているだけです。

50歳以上のスタッフの方たちだけのミーティング

具体的にどう進めたのか?
最初にしたのは「ミーティングで何をテーマに進めていくのか」という説明。


リピート率が少ないこの旅館の現状を伝え、
「リピートを増やす情報誌を作りたい。そのためにみなさんの知恵が欲しい」とテーマと合わせてお願いしました。


次に、リピートが増えると旅館にとってどんないいことがあるのか?を説明しました。
具体的には
「リピーターは旅館を知っているお客様なので『聞いていない』などクレームが少ない」「顔なじみの人は新規のお客様に比べてスタッフはリラックスした接客ができる」「新規と異なりコストを抑えて集客できる」などなどいっぱいありますそれを説明していったのです。
それから具体的に「情報誌作成ミーティング」スタート。


スタッフに考えてもらったのが「この時期、黒川温泉に来たらどんないいことがあるか?」です。
さすがに地元ではない僕には何を書いたらいいのかわかりません。
この内容をみんなの知恵を絞ってもらい、主体性を生かす場としたのです。

この時期(6月)に黒川温泉に来たらこんないい事あるよ、と親戚や友人に教えてあげるとしたら、どんなポイントがありますか?各自、自分の視点で2個以上オススメポイントをあげてください。

ポイントをポスト・イットに書きだす

10分考えて書いてもらい、スタッフの方から出た内容は「この時期だったら鮎が美味しいよ。」「ホタルが見られる場所があるんだよね~。」(ほかのスタッフから「え?本当?今度案内してみよう!」)
「よくお客様は花公園への道を尋ねられますから、そこに行っていると思う。」
「温泉地通り全体に紫陽花が咲いて、お客様が感動されています。」


自分の視点ですから、家族でよく出かける人は家族で行ける場所。接客する人は過去のお客様の行動から人気のスポットを思い出す。料理長をはじめ料理に関わる人は料理の視点から季節限定オススメ料理を考えて発表してくれました。
スタッフ同士で出しあってみると地元でも知らない情報が出てくることも。

こういうのを一つとってもみんなで考えるといろんな視点が瞬間的に入ってきます。でも、仮に販促担当者一人で考えようとした時、膨大な時間がかかるんですよね

こういう情報は地元の人には当たり前。
でもお客様は知らない情報を定期的にお伝えすることで、「へぇ~蛍が見られるんだ、じゃあ子供たちに一度見せてみようか。」という風に「単に止まるだけの場所」から「そこに行く目的のある温泉旅行」に変わるわけです。


お勧めのポイントが決まったら、次は文章です。
3つのポイントに合わせ社長に3つの班に分けていただき、それぞれの班で文章を考えてもらいます。各班で出来上がった文章は発表してもらい、ほかの班の意見も聞きながら文章をある程度完成させました。

実力を上げるために

わかば便り

一般的なミーティングでは「こういうの作るのが得意な○○さん、お願いします」と言ってここで解散です。
でも、任された担当者は専属ではない。当然、今やっている仕事プラスです。デザインを任されても具体的なイメージができないまま解散すると「とりあえず後回し」です。そして、職場に戻れば「日々のやらなければならないこと」が最優先され、ここでスピード感を一気に落とします。


でも、ちょっと考えてみてください。
この制作の仕事の重要性をどう考えるべきなのでしょう?
この仕事を進めなかったら? この仕事はいつの売上を作るものか?
来月・再来月の売上を作り出す大切な業務ですよね。
それを理解しているリーダーから見れば
「おいおい、それは大切な仕事だぞ?どうなっているんだ?なんで、できていなんだ?」となる。


こういう溝を埋めるための実行時間です。
今回は実行のキーマンであるデザイン担当者、社長、若女将と他数名で実行開始。
社長のいる場でデザイン内容を確認する。「写真はどの辺?」
「だったら文章のスペースはココ」「全体のイメージはOK?」イメージを共有してそのまま作成に入る。
できあがったのがこの写真です。

現場の社員が創り出す小さな奇跡

実際、販促物を送付すると変化が起きました。
まず、お客様の反応が変わります。
「読み物ありがとう~。今回行けないけど次回は必ず。」とわざわざ電話をくれたお客様。来館時にその情報誌を持ってきてくれるお客様。
当然、接客も変わりました。
情報誌を持ってきてくれたお客様との会話が弾みます。「みんなで考えて作ったんですよ」と。また、情報誌を持っていない新規のお客様にも旅館で決めたホタルツアーの案内を積極的にするようになったのです。知らずに予約したお客様は季節限定のホタルが見られて大喜び。
すると、お客様の声が変わってきます。
チェックアウトの際、いただく感謝の声が増え、部屋に入れている喜びアンケートの回収枚数が増えました。

昨年半年で感謝アンケート219枚から今年は同時期404枚

その後、NETでのクチコミランキングで料理が地域で1位になったのです。
でも、お料理は変えていないのです。
それなのになぜか1位になったのか?
おそらく、接客レベルが上がって、料理・サービスを含めた食事の時間の満足度が上がったということなのだと社長は分析しています。
以来、リピーターを増やそうと半日で経費もほとんどかけず手作りしたこの情報誌を年に6回ほど顧客に送るようになりました。
結果、リピーター1%だったのがこの情報誌経由で来館率が1年で15%まで上がり、毎月の月売上が平均10%以上UPしています。
この情報誌以外、特別なことは何もしていません。
むしろ広告費は削っています。
社長は「売上だけでなく、スタッフの意識が変わっていくのを感じること。実際、馴染みのお客様と再会できるのが嬉しいことだ」と言ってくれています。


最近のスタッフのミーティングの感想。(写真:ポストイット)


スタッフが忙しくなっているはずなのに、
 「先生、前はこの旅館がこの温泉街では最後に満室になる、人気がない宿だと言われていた。でも、他とちがって最近は平日も満室で体はしんどいけど嬉しいんです。」と笑顔で言っていただけるのが何より嬉しいですね。



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